トランプ後のアメリカはローマの終焉をなぞるのか。

過去に僕はトランプ大統領の勝利を予測した。

https://plus.google.com/106984116692194742230/posts/UU4fxjhRdGT

その予測が現実となった。

 

で、僕は今ローマ帝国の終焉を割と必死こいて調べてる。

ローマ帝国を必死で勉強して作り上げた、アメリカ帝国の成り立ちと終焉は、極めてよく似るのだろう。リンクしすぎてすごく読んでて楽しい。

 

ローマ帝国の終焉の原因だの、その時の世界情勢だのを詳しく書くと本一冊になるレベルだし、論文発表もできるレベルだから、こんな場末で書けるもんではない。

ていうかそんな高度なもん、そもそも俺かけない。

 

ので、そっちはどうでもよく

書きたいのは流れ。

どやってローマ滅んだか流れを調べれば、今後のアメリカどうなるか予想できるかなー?って。

 

さて、本題。

ローマの傾きが始まった原因は何時からか知らないし、いろんな論があるだろう。そんなものは専門家にお任せしよう。

目に見えてわかるのは211年に即位した「カラカラ帝」の政治だ。属州民と本国民(市民)に分かれていた帝国を統一した。これの目的はこんな感じ。

 


ローマ市民って高い税払ってて税収良いな!
属州民の納税額の低さと言ったら・・・・・

これは市民の税制がいいに違いない!

全員ローマ市民にしたろ!

税収激増間違いなし!

俺頭いい!

 


と言う考えだった。

このカラカラ帝の通達、「アントニヌス勅令」によりローマは本国も属州もない、ひとつの大きな世界帝国となります。

なんかどっかで聞いたことある。

グローバリズムだこれ。

 

しかし結果は、単にローマの納税額が高いのは金持ちだからで、属州民の納税額が少ないのは貧乏人だからであり、属性だけローマ市民にしたところで税収は何も変わらなかった。

むしろ徴税管理のしやすかった属州民税を失って税収激減した。

把握がしにくく、そういう文化もない相続税奴隷解放税を属州に強要したので、徴税がうまくできなかったからね。そもそも奴隷って戦争に負けた属州民だから解放って何?だし、貧乏だから相続する財産もないんだけどね!

 

だめやん。

 

税収減ると国が困るのは誰でもわかりますね。

 

しかも、さらに同じくらいローマが困ったのは、全員が市民になったので、必死に兵士をやる属州民が居なくなった事。当時属州民は必死に兵士を何年も続けるとローマ市民になれるという制度があり、そのために文字通り必死に働いたんですね。

自動的にローマ市民なので死ぬ危険を冒して戦う理由なんてなくなりました。

しかし、国境を必死に守らないと蛮族攻めてきますから、兵士は不可欠です。

蛮族怖いですから。

 

無料で文字通り死ぬ気で戦う兵士が居ないとなると、傭兵雇うしかありません。この傭兵の費用が財政を苦しめました。税収減と軍事費の増大。ダブルパンチ。おまけにこの傭兵が蛮族として攻めてきてるゲルマン人だったりするから、もうね、国境ボロボロ。

ゲルマン人勝手に家族呼んだりしちゃって、ローマの中にゲルマン人の村作っちゃってんの。ゲルマン人に財産とか仕事(農地)奪われて、ローマ人激おこ。激おこだけど傭兵雇わないともっと攻められるからやめるにやめられない。このゲルマン人傭兵は後の西ローマ帝国の滅亡とされる、傭兵隊長の無血入場となるまで続きます。

メキシコ人雇いまくって、ヒスパニックが自然に村作ったら治安悪い悪い文句言ってる国が浮かびますなぁ。

 

ちなみにこのカラカラ帝の前は、アフリカ出身のセプティミウス=セウェルス帝である。アフリカ系の史上初の大統領の次の大統領の話考えてる時にこういう繋がり楽しい。

 

こうして、国境沿いがボロッボロになっていく中で中央でも変化が生じます。

増え続ける元々の軍事費を補うためのアントニヌス勅令でしたが、軍事費は重いまま、全員ローマ市民と言う大失敗で減ってしまった税収と、ゲルマン人とかの傭兵費用を更に負担しなければならなくなりました。

この3つの資金を補うため、都市には極めて重い税が掛かるようになりました。

 

その結果大金持ちの貴族や大商人は税を嫌い、田舎に移住を始めました。


タックスヘイブンです。

 

都市で持っていた財産を、田舎の広大な土地の権利に変え、資産を守りました。
しかし土地を持っているだけでは利益を生みません。貯金を取り崩し生活しているような状態ですから、精神衛生上良くありません。貴族の生活ってお金かかりますし。

そこで貴族や大商人は事業を考えます。

田舎の広大な土地でできる事業と言えば、「農業」です。
ローマを支えた農業と言えば、奴隷を使い捨てで使う「ラティフンディア」でしたが、これは奴隷(敵軍の捕虜)が掃いて捨てるほど手に入るのが前提。

戦争に勝って領土を奪い取るどころか、ゲルマン人に任せてボロッボロの国境を持つ末期のローマで、安い奴隷なんて手に入りません。代わりに税金で苦しんで都市から逃げ出したい市民はたくさんいました。

そこで出来たのが「コロナートゥス制」です。奴隷じゃなくて、コロヌス(小作人)が働く制度。

単に市民が奴隷に身分落ちしたってだけなら、社会構造の変革(古代の終焉と中世の始まり)までの事態は生まず、多分ローマが無くなっただけで終わったと思うのですが、腐ってもローマ。こういう時でも法制度がしっかり整ってたことで、それを回避しようと時代を変える変化球を生み出します。市民権を持った人を無理に働かせられなかったんですね。

 

ラティフンディア
貴族が人を雇って働かせる(奴隷を買う)。できた作物を売って儲ける。

コロナートゥス制
貴族が市民に土地を貸す。で、土地代で儲ける。

 

こういう変化が生まれます。

当初は自主的に借り、自主的に農地を耕していたコロヌスたちですが、コンスタンティヌス帝の時から移動を禁止されます。一生その土地から動けないので、職業も一生コロヌスです。身分制度が強化され、自由な市民と言う身分は消えました。

制度的にも禁じられているし、中央の更なる弱体化で貨幣制度が崩壊し、物々交換経済にまで文明が後退しましたから、社会的にも移動しようにも移動できない状況であったのも大きいです。

 

領主と農民。

封建制度と中世の始まりです。

 

ローマの終わりはこんな感じ。

僕知りたいのは歴史のお勉強じゃなくて、トランプ後のアメリカ。

軍事費とか福祉費用で国の財政いっぱいいっぱい、アフリカ系の皇帝が生まれ次の皇帝になった、金持ちがタックスヘイブンを行い始め、グローバリズムの果てに安い労働力を失ってしまった、トランプはその安い労働を国民に戻そうとしている。ラティフンディアは今の多国籍企業そっくり。ここまでは同じ。

 

同じ運命を辿るかどうかは判らない。もし仮にまったく同じだとすれば、「雇う」のではなく「自営業者」に「権利を貸す」社会に移行することだ。

 

農地だと分かり易いが、工業とかサービス業だとどんな感じだろう?

 

ふと浮かんだのはAirbnbUBERのような形態じゃないだろうか。もちろんAirbnbUBERがそのまま貴族階級になるという意味ではないが、概念として。

カネを稼ぐ手段が1つのシステムから送られてくる。実務は個人事業主。そんな社会。たぶん。

一部の貴族が土地を占有したように、一部の企業が市場を占有し、社員ではない人々へシステムを貸し儲ける。そのシステムは、昔でいうと畑の賃借料。今で言うと月額のシステム利用料ってとこか。それと収穫税。今で言うと売り上げの10%の手数料とか。この二つを得ることで儲けを重ねるんだろう。

 

トランプがやろうとしてること、アメリカ人が望んでること、つまりアンチグローバリズムは、すべての産業を国内に戻すことを目指すムーブメントだ。要はすべてのコストが上昇することを指す。

コストが上がれば値段が上がる。

そうすると、自営業者が付け入る隙ができる。

付け入る隙間にUBERのような自営業者を強力にバックアップするシステムができる。

こうなると既存の企業は耐えられない。一気に産業の世代交代だ。

 

おそらく今後の20~30年はすべての産業に上のムーブメントが起きるだろう。

 

具体的な手段はしらない。知ってたら大金持ちだ。

今判ってるのは歴史を辿ればそうなるってことと、アンチグローバリズムをするとそうなる事だけ。

もちろん仕事をどんどんオフショアして、コスト削減に努めて、企業組織をどんどん大きくしていけばそうならないと思うが、それは否定されたグローバリズムだ。それにノーと言ったからトランプが当選したのであり、ブレグジットが起きた。

 

非常にゆっくりとしたムーブメントだと思うが、大きな大きな動きになりそう。

 

さて、何の投資しようかな。

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